安倍首相の退陣を受けて

2007.09.19|shugo|SOCIETY・GOVERNANCEPermaLinkComments (2)

安倍首相が辞意を表明し、1週間が経った。今回の急展開はそれなりに気づかされるものがあり、不謹慎と思われるかもしれないが、個人的には非常に勉強になった。

「自民党をぶっ壊す!」と小泉前首相が叫び、派閥中心であった自民党の政治力学がこうも脆くなってしまったかを象徴していたのが額賀氏の出馬取りやめ。かつての本流旧橋本派である津島派の候補が断念するという一幕は、いかに額賀氏が空気が読めていなかったかを差し引いても、時代を表していた。

プチ派閥になりつつある通称小泉チルドレンの動きには、ワイドショー的な面白さがあった。結局元々派閥政治を脱却することがアイデンティティにある小泉氏に集う人々なので一派でまとまるはずもなく、完敗が予想される次の衆議院選挙において公認欲しさの福田氏へのすり寄りをはじめる候補者がいたり、福田氏と仲が悪い飯島元秘書官との関係上福田氏支援に回れない人たちなどがいた。大きな意味ではこの悲惨な状況の一翼を担っていた小泉氏に再出馬を依頼したところがそもそも判断力のなさを感じる。ただし、この苦境の中、しぶとく生き残り、次の衆議院選で勝ち残った議員がいたら、その人たちの動向は個人的にはチェックしていきたい。

最後にそもそもの退陣のトリガーとなった「テロ対策特別措置法」についても少し触れる。
ちょうど昨日、現役外務官僚大江氏の著作「外交と国益」(NHKブックス)を読み終えたのでどういう法律かを知ったのだが、それを知るとなぜこの法律が退陣のトリガーになりえたかを理解することが出来る。簡単に書くと、給油活動が出来ることが、結果的に「わが国の平和と安全に資する」にいたるロジックがこの法律には存在しており、その大切な法案が延長しないと給油活動が出来ず、国際社会に多大な迷惑をかけることとなる。何よりも米国に怒られちゃう。。。それらの意味を知れば少しは世論が変わるかも知れない。

とはいえ、そんなこと国民は知ったことはないので、不謹慎ではあるが、実際に迷惑をかけることで、どれくらいの影響を生じるかを国民が知る意味ではよい機会かもしれない。

蛇足となるが、この本「外交と国益」は個人的に現役官僚の自分たちの政策の正当性を訴える書きっぷりに違和感を感じつつも、現在の外交をさらっと眺めるには非常に分かりやすかったので、参考になった。

「イラク攻撃の是非と戦争後の平和構築のプロセスに参加すべきかどうかという問題は、本来、別の議論ではないか」などと主張されるあたりは、政策立案の世界で生きている人だからこそたどり着く境地だと思う。イラク攻撃と平和構築のプロセスは、密接にリンクしており、「是非」のスタンスによって、平和構築プロセスへの関わり方は異なることが容易に予想される。正直関係性を知っていて、このような書き方をするのはいかがなものだと思うが、兎にも角にも鵜呑みにしない読み方が求められると再確認できてよかった。


Posted Comments

政治の話にはあんま明るくなくて、
詳しい修悟の投稿にどうコメントしようか迷っていたのですが、
早速、こんなニュースがあったね。

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070921k0000m010136000c.html
政治に明るく無いからこそのへんてこな意見かも知れないけど、
そもそも、アルカイダとイラクを意味不明に結びつけちゃったとか、大量殺戮兵器を持っていないのに持ってるといって戦争しかけちゃったっていう現代的な話や、さんざん欧米が中東を引っ掻き回したという事実を無視しての歴史的な動きを前提に、今も尚、多くの悲劇を生んでいる事実を考えると、何も日本国憲法を議論の焦点に持ち出してあーだこーだ揉める以前に、もっとやった方がいいことってあるんじゃないかなぁって思うんだけどな。

2007.09.21|ikeponia

会社での会話…

「安倍が辞めたらしいよ」


「安倍って誰?」

はい、終了〜〜〜〜

2007.09.21|ken

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