創造支援工房FACEとは
創造支援工房FACEは、2000年に当時の大学生たちが、学生という立場を超えて世の中への働きかけを通じて学び合える場をつくろう、という想いで立ち上げたメディア教育支援のNPOです。
情報リテラシーの格差が、生きる力の格差につながる時代へ。
創造支援工房FACEが発足してから20年、私たちを取り巻く情報環境は進化し、誰もがインターネットを通じてコミュニケーションを取れる時代になりました。インフラとしての情報格差は埋まりつつある一方、雑多な情報に溢れ、自分たちにとって本当に必要な情報を手に入れるには、情報を手繰り寄せるスキルや、人とのつながりが必要となり、本質的な情報格差の解消には至っていません。
FACEは、メディア寺子屋、コミュニケーションデザインカレッジI-MAGE、メディアキャンプと様々なプロジェクトを通じて、個人のジャーナリズム的な観点や、メディアリテラシーを高め、世の中の本質を問い、働き掛ける力を育ててきました。いわば、学びのコミュニティです。
先行きの不透明さが増していく世の中で、生きる力を高め自分の身を自分で守るべく、人々の学びたいニーズは高まっています。それを受け、FACEは、若い人たちがお互いに信頼できる仲間との学び合いを通じて、世の中に問いを立て、学ぶ力と社会に働きかける力を育くんでいきます。情報リテラシー(情報を扱う力)を身につけることが、多様な価値観が共存する社会につながると私たちは信じています。
創発環境モデルとラーニングコミュニティ
創発環境とは
「創発」とは、もともとは複雑系の科学から生まれた概念で、個々の関係子の相互作用が全体になにかを生み出すというものです。例えば、インターネットのように様々なサーバー、ネットワークの自律分散的なつながりが、全体にインターネットを創発しているイメージです。
インターネットがサーバーなしには成り立たないように、創発は関係子の自律、自発性に支えられています。そして、インターネット上に生まれる多様な価値がつながることで、自発性が刺激され、さらなるインターネットの自己成長を促します。
この現象のように、価値の創造が継続的に起こる仕組みをつくれないか、という想いから考え出したのが、自発性とつながりを促す「創発環境」です。
気づき、学び、つくるのサイクル
「創発環境」は、3つの要素を必要とします。一つ目は、多様な人の価値や視点が流れ、そこから気づきを得られるメディア。二つ目は、そのメディアから得られた気づきを深め、学びが得られるエデュケーション。三つ目は、学びから得た着眼に基づいたアイディアや企画を形にするツール。この3つが循環していくことによって、新たな価値が創発し続けるのです。