ワクワクに飛び込んでみよう!

南川克博

学生目線で、先輩方に多様な「幸せの見つけ方」を問う。
不確実な未来に前を向く、バックキャスティングメディア「FOREFACE」。

現在は弁護士として福岡を拠点に活躍する、南川(みなかわ)さん。
一般的な弁護士業務の傍ら、弁護士会の広報部としての活動にも力を入れているそう。
学生時代に広げた知見が今のお仕事にどのように繋がっているかを聞いた。

南川克博(みなかわ よしひろ)

東京大学法学部、神戸大学法科大学院を経て、2015年に弁護士として福岡の法律事務所に入所。

福岡を本拠とする大手企業や地元の中小企業に対し、株主総会をはじめとするコーポレートガバナンス・人事労務・紛争対応等に関するリーガルサービスを提供。

弁護士会の活動にも積極的に参加し、2019年より広報室に所属し、弁護士会の広報戦略の企画立案に従事。

2021年より星槎大学研究倫理審査会の外部委員も務める。

2022年6月より、介護幼保業界に特化するという法律事務所には珍しいスタイルをとる弁護士法人かなめに移籍、福岡事務所長に就任。

興味があることに飛び込み続けた学生時代

―ご自身の学生時代を振り返り、どんな学生でしたか?

好奇心が強かったですね。興味があることには全部飛び込みました。

中高6年間バスケ部だったのですが、中学3年生の時には、人気番組だったクイズミリオネアに出場しましたし、高校生の時には当時流行した「ハモネプ」に憧れてアカペラグループを結成して自分はボイパに挑戦したりしました。

―将来についてはどのように考えていましたか?

高校時代から、漠然と「法律家」になりたいと思っていました。親が弁護士ということも理由の一つではありますが、それ以上に、色々なことを勉強するにつれて世の中のルール(法律や制度)を理解しておくことが、世の中の問題となっている部分に目を向けることができる、という意味でも大切だと思っていたことが大きな理由です。

―大学入学後、力を入れたことはなんですか?

地元、神戸を離れ東京に上京しました。人が多いことだけでなく、多くの見たことがない世界が広がっていました。中高の先輩であるお医者さんの研究室に転がり込んで、色々と勉強させてもらいました。特にその方が専門にされていた「医療ガバナンス」に関する活動に、スタッフとして参加させていただきました。この活動を通じて、自分の行動や働きかけで世の中を変えることの面白さを感じました。

―糧になった経験はありますか?

FACEのメディアキャンプの実行委員長をしたことです。映像制作の経験はありませんでしたが、何かを運営する経験を得ることができるいい機会だと思い、取り組みました。自身に映像の知識が無いからこそ、映像に詳しい人に力を借りるなど、マネジメントは当時の自分ができる限りの工夫をしました。

この時に運営をした経験は、今の仕事にも通じていると感じます。

―大切にしていた軸はなんですか?

「ワクワクすることにコミットできているか」を常に考えていました。人と仲良くなることが得意で、つながりの輪をどんどんと広げていきました。その中で、「井の中の蛙大海を知らず」になっていた部分が大きかったことを自覚しました。知り合いに誘われて参加したイベントなどで、新しい刺激をもらうことも多かったです。

チャンスを逃さずに挑戦できるように、日頃から準備しておくように意識していました。具体的に何を準備していたかと言われると説明は難しいですが、何かチャンスが来たときに、「はい」と手を挙げる心の準備が、何より重要ではないかと思います。やりたいことにはとことん挑戦していました。おかげで、学業の成績はあまり良くなかったですが(笑)

―最終的にどうして弁護士になろうと決めましたか?

学生時代に、ワクワクすることにコミットして多方面に興味関心を拡散させた結果、「人の話を聞くことが好き」という、自分のもう一つの軸を見つけることができました。一人でも多くの人に「南川になら相談できる」「南川に話してよかった」と思って貰えることが、自分にとっても幸せなことだと気づき、改めて弁護士になろうと決めました。

プロとして仕事をする

―現在のお仕事について教えてください

現在は福岡にある、企業法務を専門に取り扱う法律事務所で働いています。一般的に、弁護士というと裁判所にいるイメージかもしれませんが、企業法務という分野柄、さほど裁判所に行く機会は多くありません。いわゆる「予防法務」といって、企業の中で問題が生じる前に予防策を講じるための相談に乗る仕事を主にしています。

―お仕事のほかに力を入れて取り組まれていることはなんですか? 

法律事務所の活動とは別に、弁護士会での活動に取り組んでいます。現在は広報室に所属していて、弁護士会の活動を効果的にPRするための企画・立案を担当しています。学生時代にフェイスでの活動で身につけた、メディアやSNSの知識が役立っています。「お堅い組織」と思われがちな弁護士会を、少しでも身近に感じていただけるように工夫をしています。

―やりがいを感じるのはどんな時ですか?

弁護士になると決めた時の理由でもある「南川になら相談できる」という関係性になれた時に、すごく喜びを感じます。あとは、依頼者に感謝された時ですかね。知らないことを知らないままにしておくのが嫌な性格なので、とことん追求します。そこから得た自身の知見で依頼者を助けることができた時は、すごく嬉しいです。

―学生時代と社会人の今を比較して、変わったことはなんですか

「プロとして仕事をすること」です。学生時代は時間もたくさんあり、締切というものも基本なくて、自分の好きなように好きなことに取り組むことができますよね。ですが、1人の社会人として仕事をする上では、プロとしての働きが求められるので自己満足で終わらせることはできません。相手が課題と感じていることを適切に読み取り、課題を解決するための最適解を提案します。なぜ、そのような状況になっているのかを、常に考える必要があるのでどんなに小さくても「なんで」という疑問を大切にしつつ仕事をするようにしています。

ありがとうと、ワクワクを

―今後の目標はなんですか

自分に相談してくれた人に「ありがとう」と言ってもらえることを増やしていきたいです。抽象的ではありますが、自分が死んだ後に「南川がいたから、これが変わったよね」と言われるような仕組みを残したいです。自分の働きかけで周囲を変えていきたいです。

―目指す人物像はなんですか

色々なことに挑戦し続け、ワクワクを探し続ける”ワクワクさん”です。私は、昔から自分のことを器用貧乏だと思っているのですが、これからも色々なことに挑戦して、突き抜けた器用貧乏になりたいと思います。そのために、弁護士資格を基盤にして、興味のある分野を広げ派生させていきたいです。

南川さんからのFORE FACE

学生の皆さんには、ワクワクに飛び込んで欲しいと思います。面白そうだなと思ったときに、躊躇せずに手をあげてみてください。そこで傍観者になってしまうともったいないです。自ら飛び込んで、物事の主体になってみてください。

調べ物をするときに、本を読むだけ、ネット記事を見るだけで終わりにしてしまうのではなく、現場に行ってみて、現場の生の声を聞いて、原体験を積み重ねるようにすれば、より豊かな知識となって皆さんの力になると思います。

知識を詰め込んだ頭でっかちになるのではなく、経験を通じた知識の蓄積をしてほしいです。

インタビューを終えて

南川さん、ご貴重なお話をありがとうございました!

学生時代から”ワクワク”することに飛び込み続けたという、南川さん。

日頃から幅広くアンテナを張っておき、チャンスを感知した時には飛び込むことの重要性を再認識することができました。

学生生活は残り2年となりましたが、チャレンジしたいことにとことん飛び込んで見ようと思います!