刺激を自分なりのアウトプットに。

川田貴和

学生目線で、先輩方に多様な「幸せの見つけ方を問う」。
不確実な未来に前を向く、バックキャスティングメディア「FOREFACE」。

コンサルタントから会社の立ち上げまで、多種多様に活動をされてきた川田さんの原動力について、お聞きしました。

川田貴和 氏

東京生まれ。香港育ち。上智大学国際教養学部を卒業後、2011年にデロイトトーマツコンサルティングに入社。デジタルトランスフォーメーションのプロジェクトに多数従事した後クリエイティブエージェンシーR/GAの立ち上げメンバーとして参画。現在はアクセンチュア傘下のDroga5でストラテジーを担当。コロナ禍で人生を見つめ直し、湘南への移住を決意。愛猫と海近で平和に暮らす。

「直感的な楽しい」に挑戦していた学生時代

―どのような学生時代を過ごしましたか?

遊びの面でも、学びの面でも、自由気ままにやりたいことをやってました。

―具体的にどのような遊びにハマっていましたか?

ロックに全てを費やしていた時期があって、ヘビメタのニッチなバーに夜な夜な通っていたり、高校時代にはギターもやっていました。ロックを通して自分が今まで出会わなかったような人とも出会えて多くの刺激を得られました。最近はまったりした曲を聞いてるんですけどね…(笑)

―確かに、ロッカーって自分の価値観を大事にしている方が多いイメージがあります!「学び」の面ではどのような活動をされていたんですか?

大学2年生の時にI-MAGEに参加したり、ロレアルのブランドストームに参加したり、GILTで長期インターンをしたりしていました。

―ロレアルのブランドストームですか?

世界中の学生が参加するビジネスコンテストで、「DIESELの男性用化粧品を考える」ものでした。日本大会で優勝することができて、パリの本大会にも出場しました。

このコンテストを通して、プロジェクトベースでやることの楽しさや、みんなで考えていく楽しさを実感することができました。その後の人生にも活きています。

―学生時代から世界でも活躍されていたんですね!GILTも外資系の会社ですよね?僕も利用したことがあります!

GILTはファウンダーの女性2人に刺激を受けて、直接インターンをしたいとオファーして、働くことになりました。東京にオフィスを構えたての時にジョインして、1年以上働いていました。
学校だけに縛られないで、他のコミュニティを見つけて、色々な経験をしたことはよかったですね。

こんなにもアクティブに活動していた背景にはどのようなことがあると思いますか?

中高時代に香港に住んでいたのも関係していると思います。当時、香港のカナディアンスクールに通っていて、色々な国の人と出会いました。「勉強をしなさい」の教育方針というよりは、自分たちでお題を考えて取り組む教育方針で、学校のイベントの企画にも携わっていました。

中高時代に外国で主体的に取り組む環境で育ったことも、大きく関係しているんですね!ズバリ、学生時代の川田さんを一言で表すと何でしょうか?

「適当だった」かな。何かを計画してやるというよりも、直感的にその時楽しいものをやっていました。それは今でも変わっていません。特に、「何か刺激を受けて自分なりにアウトプットしていく楽しさ」は大切にしていました。

学生時代、社会人にはどういうイメージを持っていましたか?

大人達を見ていて、仕事が楽しそうな人もいれば、疲弊している人もいて、後者にはなりたくないなと思っていました。

将来、「自分で何かやりたい」と思っていて、特に「仕事においても面白いことをやっていきたい」と思っていました。このビジョンは実現できています。

本質的な仕事を大切にする

―大学を卒業してから、現在までどのようなキャリアを歩まれましたか?

まず、新卒でデロイトトーマツに入社して6年ほど働きました。1年目は色々な業種を巡り、アフラックにIT系のプラットフォームを導入するプロジェクトにアサインされました。正直、プログラミングとかは全然興味が無かったのですが、グローバルなプロジェクトで、世界中の人たちから刺激を受けられるのは良かったです。2年目からは違う仕事がしたいと思っていて、元々ブランディングやマーケティングに興味があったので、自動車セクターのチームに入れてもらいました。当時、DXやエクスペリエンスの先駆けとしてアサインされました。そしてコンサル × クリエイティブの、デロイトデジタルに進むことになりました。

その後、「もっとアウトプットに繋がる仕事がしたい」と思い、ニューヨークのエージェンシーのR/GAが、東京に進出するタイミングで誘いを受け、転職しました。仕事内容もコンサル寄りから、クリエイティブ寄りにシフトしました。

R/GAを経た後、2021年からニューヨークのエージェンシーのDroga5に転職して、ストラテジストとして、戦略を作り出しています。同時並行で2020年くらいから副業もしていて、2021年に会社を立ち上げました。

―「副業、そして起業」のきっかけは何かあったのですか?

「勤めている会社だけに全てを捧げるのも将来不安だし、つまらないのかな」と感じたからです。R/GA時代に少数チームで、クライアントと0からサービスを立ち上げて、それがいいアウトプットに繋がり、「こういう形で仕事をしていきたいよね」と話し合って会社を立ち上げました。

―先ほど仰っていた「自分で何かやりたい」を体現されているんですね!社会に出て、学生時代に描いていたイメージとのギャップはありましたか?

面倒くさいなと感じることが多いなって感じます。(笑)
政治的なことだったり、マウンティングを感じる場面があったり、やらなくてもいいことをやらなければいけなかったり…

―新卒でのコンサル会社から現在のエージェンシー、そして起業と、様々なキャリアを歩まれる中で、どのようなことが特に大変でしたか?

若手時代は、体力的にもメンタル的にも、忙しさのバランスを取るのが大変でした。

最近になってからは、外国の方など様々なバックグラウンドを持つ人たちと仕事をする時に、会話が噛み合わないことが多々あることが大変ですね。ただ、中高時代から色々なバックグラウンドを持つ人たちと関わってきたので、理解できることが強みだと感じています。

―仕事に対して、大切にしている価値観を教えてください!

「本質に向き合うこと」です。ただかっこいいからやるのではなく、お客様が求めていることの本質は何か。課題の本質は何か。に向き合うことを意識しています。

楽しさを心地よさを求めて

―趣味はありますか?

最近、仕事がリモートワークなので、茅ヶ崎に引っ越してきたんですよ。そこで、新しくサーフィンを始めました。山登りとワインも好きなので、ワインエキスパートの資格を取ろうかなと思っています。

―生活する上で大切にしている価値観はありますか?

「楽しさと心地よさ」です。サーフィンもそうですが、新しいものに挑戦して刺激を受けるのが好きですね。あとは、健康面で無理をしないことも意識しています。猫と戯れてダラダラすることもあります。(笑)

―今後どのような生活をしていきたいですか?

ワインを飲みながら猫と戯れて、スローライフを過ごしていきたいです。今までと同じ生活を今後20年間していくよりも、会社とかに縛られずに、自分のやりたいことをしていきたいです。

―この考えは大学生の頃の考えと変わりましたか?

大学生の頃よりも、「ゆっくりしたい」という気持ちは強まりましたね。ただ、「自分で何かやりたい。社会にとってポジティブになるようなことをしたい」という想いは大学生のころから変わりません。

川田さんからのFORE FACE

「自分だからこそできる、興味のあること」を軸にキャリアを設計していったほうがいいと思います。社会がこうだから、他人がこうしているからではなく、自分がやりたいことをやっていったほうがいい。

何がやりたいかはすぐにはわからないけど、少しでも興味のあることに触れて見たらいいと思います。周りの大人たちもきっと助けてくれます。

インタビューを終えて

川田さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

「みんなが何かやってるから、自分も何かやらなければ」と不安を抱えている学生は多いと思います。しかし、川田さんのように、「自分が直感的にやりたいこと・面白そうだと思うこと」に挑戦し続け、やっていく中で本質に向き合っていく姿勢が大切であると実感しました。直感と本質を意識して、やりたいことに挑戦していきたいと思います!

1人でも多くの読者の方々に、川田さんの素敵な価値観が届くといいなと思います。